たくあんを考案したと呼ばれる沢庵和尚。干した大根を粕漬けにした沢庵は徳川三代将軍家光の時代に生まれたと伝えられています。
山川漬は天日で1ヶ月ほど乾燥させた練馬大根を杵で付き、それを塩漬けにして長時間熟成させた漬け物で、沢庵の元祖とも言われています。
文献によると、秀吉が朝鮮出兵を企てた時期、山川港から出航した島津藩の船が保存食として大量の山川漬けを積み込んだ記録が残っているそう。つまり江戸時代より前にあったという証拠であり、元祖と言われるゆえんの一つかと思われる。

山川漬 鹿児島 内薗兼漬物店 中園久太郎商店 山川漬は大変に手の込んだ漬け物で、生産効率や消費者の嗜好の変化など時代の流れに押され、
伝統製法で作られる山川漬けの出荷量は減っているそうだ。

練馬大根を1ヶ月ほど干して乾燥させた後、時々海水をかけながらお餅のように杵で搗く。
大根は洗わずに干すので杵つきで泥が落ちるほか、海水を使うことで大根の身がきゅっと締まる。
これを水でやってしまうと、大根に水分が入り込んでふやけるそう。(干した意味ない。)
今は機械化されているが、奥様が1日中搗いていたそうでかなりの重労働である。

そして、へなへなになった大根をすのこを敷いて底を揚げた壺の中にぎっしりと敷き詰める。
その時、塩をたっぷりと振りかけることで、大根に残った水分が壺の底にたまり、
水分が抜けきってカラカラになった漬け物ができあがる。
漬けて2、3ヶ月くらいで独特の香りがし始め、半年ほどで褐色の山川漬けが完成。
もっと美味しくするにはさらに1年寝かせる。水分を徹底的に抜いているのでカビないそう。

山川漬を切ったところ 鹿児島 漬け物 これがその伝統製法で作った山川漬です。鹿児島に行ってきた際に手に入れてきました。
からっからに乾いていて独特の風味があります。歯ごたえがあるので歯が弱い方は注意がいる。
この色のどす黒さとか、冷蔵庫があるから保存期間が長くなくても良くなったりしたこととか、
香りがキツいとか、様々な嗜好、生活の変化で伝統製法の山川漬けは減っているそう。
というのも手間がかかる割に出荷量が少ないからだそうです。
でも、調味料漬けのべたっとした甘さと不自然な色が付いた市販の沢庵と呼ばれる漬け物より、
私はずっと美味しいと感じました。自然の甘みが味わい深く、しょっぱすぎないし。
私、漬け物ってあまり好きじゃなかったのは、あの変な甘さが苦手だったからです。
においもそんなに気になるかなぁと。日本にはもっと香りがキツい食べ物はいろいろある。
長期間塩漬けにしたのに全然塩辛くないのは大根が熟成する過程で甘みが増すからだそうです。

山川漬を三杯酢に漬けた物 鹿児島 漬け物 パッケージに「三杯酢に漬けても美味しいです」とあったので試しました。
甘酸っぱい酢に数日漬け込んだのですが、そうするとカラカラだった山川漬が水分を吸い込んで、食べやすくなりました。酸味をつけるほうが現代人の好みにあうのかも。確かに美味しい。
だから、山川漬けを刻んで調味液につけたものの方が商品の種類は多いみたいですね。

私が購入した商品は伝統的な製法で作られたもので、原材料は「干し大根と塩のみ」です。
それだけでこの味になるっていうのは、発酵の力ってすごいですねぇ。

指宿に行ったとき、たまたま製造直売店の近くを通りすがって買ってきたのですが、
確かに工場の周りは漬け物や独特の臭気が漂っていました。山川漬けだったのかな。
私は好きな味。なくなってほしくないしまた買いたいです。鹿児島もまた行きたいな~。